据置郵便貯金碑

宮城県白石市白石城を訪ねた際、城より興味を引かれたものがありました(4月3日)。
偶然にも「据置郵便貯金碑」というのを発見しました。
投資家として非常に関心が出てきましたので、この石碑についていろいろ調べてみました。


1926年(大正15年)白石町長の菅野円蔵は、住民税の無税化を目指し、町に100円を寄付しました。
ただし、203年間は引き出してはいけないという条件付で。
この100円を郵便貯金に預け、年5.4%(当時の金利)で203年間預けておけば、元利合計で212万円となり、これを原資にすれば年間利子が10万6千円となり、町民から税金を徴収しなくても財政が保てるという考えであります(当時の町の財政規模が年間10万円程度)。
その後、町の収入役が交代するたびに、証書に捺印し、現在まで引き継がれているとのこと。
いい話です。
ちなみに203年後というのは、2149年です。
一体、どう使うのだろうか…。


それから、関心あるのは、現在どうなったかということ。
100円が3,535円になっているとのこと。
約35倍ですな。
貨幣価値が変わったことの理由により、目標達成は困難なようです。
でも、こういう壮大な話は好きです。
そして、長年、元町長の意思を引き継いでいるというのも素敵な話です。


しかし、ここでも分かるのは、やはり貯金はインフレに弱いということ。
そして、貯金というものが資産運用にとって、非常に不利な商品であることを教えてもくれます。
菅野市長も、インフレというものを考えていなかったのかもしれません。
ちなみに、これはアメリカの話ですが、1802年に株式に1ドル投資してれば、1997年には約750万ドルにもなっていた計算になります。
750万倍であります。


株式というのはインフレに強いですからね。
当時、日本に株式市場があったか分かりませんが、もし株式市場に投資していれば100円が7億5000万円になっていた計算になります(100年の開きはありますが…)。


まぁ、私なら次のような条件で寄付するでしょうな。
「金100万円を寄付する。
但し、日本株のインデックスファンドで運用し、200年間は引き出さないこと。」

というように。


おっ、これはなかなか現実味がある話かもしれませんよ。
私、老人になったら本当に寄付するかもしれません(笑)。





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