色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読み終えました(5月8日)。
村上春樹の小説を読んだのは、前作の「1Q84」が初めてだったのですが、今回の作品も小説の世界に引き込まれるような感覚になりました。
いや、引き込まれたんです。
内容の詳細については書きませんが、昔のある出来事について、自分の中でタブーとなっていたことが、将来何かのきっかけで「あの時の出来事を解明してみたい。真実を確かめてみたい。」と思うきっかけってあると思います。
それって、人間誰でも30年くらい生きていれば思うことなのかもしれません。
主人公(多崎つくる)は36歳の設定でしたが、私とほぼ同世代ですし、共感できる部分も多々ありました。
あと、ちと話は逸れますが、改めて恋愛というのは「告白するだけが恋愛じゃない」と思いましたよ。
私だって密かに思いを寄せている人はいました、昔(20歳未満ね)。
告白も何もしませんでしたけど。
ってか、お互い好きだと思った時期がズレてたんですよ。
でも、その人と一緒に過ごした12年間というのは、今となっては心の中に閉まっておくべく清らかな記憶であります。
付き合ったり、告白したり、そういうことがなかったからこそ美化されているのだとも思います、自分の記憶の中で。
その人には、もうその12年より長い期間、会ったことも見たこともありません。
遠くのどこかで、私の知らない誰かと幸せにやってると風の便りで聞いたことはあります。
これは墓場まで持っていく話ですがね。
いや、もしかして、そう思いながら本著のように本人に話す機会が来るのかどうか分かりませんけど…。


小説の最後、意地悪な終わり方に感じました(笑)。
またその構成が憎いんですがね。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年