石油製品また値上げ 灯油は1リットル10円前後

  11月30日8時2分配信 産経新聞

 新日本石油など石油元売り大手は29日、12月から石油製品の卸価格を、1リットルあたり6・7〜7円程度値上げすると発表した。10月から3カ月連続の値上げとなり、レギュラーガソリンの小売価格は155円前後に達し、過去最高値の更新が確実な情勢だ。灯油の小売価格はさらに高い10円前後の値上げとなる見通しで、消費者にとっては、暖房費用がかさむ厳しい冬となりそうだ。

 原油価格の高騰のため、新日石は12月からの卸価格を平均6・7円値上げする。ジャパンエナジー昭和シェル石油も同7円値上げ。新日石の場合で1リットルあたりの調達コストは前月に比べ5・6円上昇しており、湾岸危機下の平成2年10月(8円)に次ぐコスト増で大幅値上げを余儀なくされた。

 新日石の中村雅仁常務は、この日の記者会見で、ガソリンの小売価格は「1リットル155円前後となる見込みだ」と説明。灯油については明らかにしなかったが、石油連盟の渡文明会長(新日石会長)は先の定例会見で「灯油は価格の未転嫁分が3円程度あり、合わせてお願いすることになる」と表明しており、ガソリンより値上げ幅が大きいとみられる。

 すでにコープさっぽろは、灯油小売価格の全国指標となる組合員向け配達価格を、12月1日から17円値上げして1リットル=97円にすると発表。前年同期(72円)に比べ33%の値上げとなる。石油情報センターが28日に発表した灯油価格(店頭)の全国平均は18リットル=1628円と過去最高を更新したが、12月には1800円近い水準となる可能性もある。