長男教

ネットで悩み事を検索していたら「長男教」という言葉を見つけました。
長男教(ちょうなんきょう)という言葉が正式な語句かは分かりませんが、要するに「長男だから家を継げ。長男だから親と同居しろ。」という親の考え、教えのことみたいです。
私も長男ですが、この長男教に悩んでいます。
親は、同居しろとか、実家に住むのは当然だと言っています。
妻は、「同居はしたくない。田舎に住むなら離婚だ。」とまで言っています。私の実家に帰った際、「ここが本当の家だ。」と言われるのが激しく嫌らしいです。
結婚前に、よく話し合っていなかったのが悪いのですが、いろいろと問題が出てくるものです。
結婚したから幸せではなく、結婚してからの方が乗り越えなければならない問題が多くあるのです。
だから結婚したくない人も多いのだと思います。
結婚しなければ親戚づきあいとか面倒なことありませんからね。
付き合ってるだけなら、個々の問題で済みますが、結婚ということになると急に厄介なことになる。
だから憧れだけで結婚して、現実は…ということで離婚する人も多いのだと思う。
非常に悩ましい問題だと思います。


長男教は、子供を不幸にし、親を不幸にし、日本全体を不幸にする考え方です。
戦前の戸籍制度は家を単位に戸籍が作成されておりました。
そして戸主に絶大な権限が与えられておりました。
戦後、それはおかしいということで家単位の戸籍制度は廃止され、親と未婚の子で戸籍は編成されるようになりました(三代戸籍菌糸の原則)。
しかし、田舎に行くと、未だ戦前の戸籍制度のような考え方が強く残っているのです。


私の実家の集落は20軒ほどですが、結婚してない長男と親しか残ってないという世帯が半数近くあります。
「長男だから…。」という理由で結婚できないのであれば、それはもう差別です。
社会問題です。


少子高齢化で、一人っ子が多い時代です。
一人っ子が多いのに、家を継ぐとか、そんなことばかり言っていたら、多くの人は結婚できず、さらに少子化が進むでしょう。
これって日本社会の矛盾ですよ。
個人を大切にする時代なのに家という考え方が色濃く残っている。
そんなに家が大事なら、子供を何人も作っておくべきですよ。
長男教とは、非常にうまい用語だとは思いますが、私にとっても日本社会にとっても大きな問題だと思います。