暴落時に怒涛の買いを続けた長期投資の哲学

下記のような記事が出てました。
澤上さんとの最初の出会いは、たまたま見ていたスカパーの日経チャンネルにゲストとして出ていたのを見たのが初です。
当時は、小泉内閣の最初の頃で株価は一時8,000円台を割り込んでいました。
その時、「今、どんどん買ってる」、「今、買わずしていつ買う」という澤上さんの話に衝撃を受けたのを覚えています。
その後、1年以上、さわかみファンドとは安心して投資できるファンドか調査・確認した上で、積立投資を始めもう5年になろうとしてます。
2008年11月には、新潟で澤上さんの話しを生で聞きましたが、澤上さんの話には勇気を与えられました。
ただ、最近の運用方針を見ると疑問に感じることも多いですが、低コストの投託ですし、この人の主張には共感できることが多いので、続けていこうと思います。


特に、
「自分は特定の会社に投資する自信はないが、長期で資産運用したい。投資を通じて良い社会を作りたい。」
という方にはオススメのファンドであるとは思います。


そりゃ、投資方針が大きく変わったり、大きく上昇したら売却しますがね。


・投資の決断 暴落時に怒涛の買いを続けた長期投資の哲学=澤上篤人
1月9日(土)9時13分配信 サーチナより引用

「不況こそがチャンス」と暴落時に積極的なバーゲンハンティングを繰り広げ、ポートフォリオの最適化に励む“長期投資のご意見番澤上篤人氏(さわかみ投信代表取締役)。

  2008年9月15日の「リーマンショック」から、2009年3月のバブル後最安値まで日経平均は半年で4割近くも暴落。市場は総悲観に包まれた。多くの日本株ファンドが運用成績を下げ、07年に2万円を超えた「さわかみファンド」の基準価額も1万円を割り込んだ。しかし、他の日本株ファンドが損失確定のため保有株を売却し、現金化に走る中、「さわかみファンド」は怒涛の買い出動を繰り広げた。組入銘柄の調整で一部現金化したものの、その資金は惜しみなく有望銘柄の買いに投入。「安く買って、高く売るのが投資の基本。当たり前の行動を実践しただけ」と、澤上氏は涼しげに振り返る。


澤上氏の長期投資哲学は明快だ。「生活に欠かせないビジネスを展開している企業群の中から、応援したくなるような銘柄を探し、安いときにたっぷり買っておく」。これだけ。どんなに不景気であろうと、生活にかかわるモノやサービスの需要は絶対になくならない。「現在の世界人口は68億3000万人だけど、その数は毎年約1億人ずつ増加している。しかも、いままでシャンプーすら使ったことのないアフリカや東南アジアの人々が、少しずつ贅沢の味を覚えている。そう考えると、人間の暮らしにかかわるすべての業種に成長のチャンスがある。その中から、チャンスをものにしようと一生懸命に頑張っている企業、応援したくなるような企業を選べばいいんです」

 「過去の話」でしかない企業業績や財務状況には見向きもしない。現在のような不景気の真っただ中では、なおさらだ。どんなに頑張っている会社でも、経済環境の激変には逆らえない。だが、「売り上げが伸びるかどうかは神頼みの側面もあるが、コストを下げることは確実にできる。経営者がコスト削減の意思と意欲をもっているかどうかを判断することが、『応援したい会社』選びのポイントだね」と澤上氏。「リーマンショック」後の怒涛の買い出動においても、経営者のコスト意識を銘柄選びの指針のひとつにしたという。

 短期投資家は、目先の業績と株価に目を奪われがちだ。「『儲けてやろう』とか『損をしたくない』という意識が強すぎるから、ちょっとした動きに過敏に反応してしまう。その結果、うちが『応援したくなる会社』の株価がどんどん下がって、ますます買いやすくなる。『リーマンショック』後は、まさに絶好の買い場だったね」と澤上氏は振り返る。

 39年の投資歴を誇る澤上氏、日本では数少ない本格的な長期投資家だが、「じつは短期投資も結構得意なんだよ」と明かす。かつて個人ベースで7年ほど、切った張ったの短期売買を繰り広げ、かなりのパフォーマンスを上げた。ところが、「ある日、仕事として長期投資をしていた顧客口座とパフォーマンスを比べて愕然とした。僕が短期投資で稼いだ成果とほとんど変わらなかったんだ。どんなに集中力や決断力を発揮しても結果が同じなのであれば、長期投資をしたほうが断然ラクだと思ったね」。

 5年、10年じっくり応援し続けるのだと思えば、一時的に値を下げてもびくともしなくなる。「とにかく『応援したくなる会社』の株を持ち続け、安くなったら積極的に買いなさい」と澤上氏。「10年もたてば不況なんてどこかに吹き飛んでいるはず。現時点で市場評価の低い会社ほど、いつかは5〜10倍に大化けする。それが長期投資の醍醐味なんです」

 とはいえ、「応援したくなる会社」とはどんな会社なのか。もう少しヒントがほしい。逆に「応援できなくなった会社」として澤上氏が挙げたのが、経営危機で揺れ動いているあの航空会社だ。

 「日本のGNP(国民総生産)が西ドイツを抜いて世界2位になった1968年、わたしは欧州にいました。経済大国になったとはいえ、まだまだ欧米の日本に対する評価は低かったけれど、そんな中で、世界の航空会社に負けまいと高い安全性やサービスを追求していた『鶴のマーク』は海外に住む日本人の誇りだった。だからこそ、99年に『さわかみファンド』を設定したときも『応援したい会社』のひとつとして組み入れた。しかし、経営上のいろいろな問題が表面化して、残念だけどもう応援できないと感じ、何年も前に組み入れ銘柄から外してしまった」。このエピソードに澤上氏の銘柄選びのヒントが集約されているようだ。

 経営者が会社の進むべき道をどのように定め、その実現に向けて、持てる経営資源をどのように活用しているか。その取り組みに共感できるか否かが、「応援したくなる会社」と「応援したくない会社」のリトマス試験紙ということなのだろう。

「自分がその会社の経営者ならこの先の5年、10年どうやって今の経営資源を使い会社を発展させるかを思い描いてみるといい。その仮説の上を行くような取り組みをしている会社なら、きっと応援したくなるはず。そんな会社をあらかじめリストアップしておいて、相場暴落時など安いときに積極的に買えばいいんだよ。投資なんて簡単。あまり深く考えちゃいけない」(取材・文責:サーチナ・メディア事業部)



澤上篤人(さわかみ あつと)プロフィール>
さわかみ投信株式会社 代表取締役
70年から74年までスイス・キャピタル・インターナショナルにてアナリスト兼ファンドアドバイザー。その後、80年から96年までピクテ・ジャパン代表を務める。96年にさわかみ投資顧問を設立し、99年には日本初の独立系投資信託会社であるさわかみ投信を設立。『さわかみファンド』1本のみの運用で、純資産は2230億円、顧客数は12万人を越え日本における長期運用のパイオニアとして熱い支持を集めている。販売会社を介さない直販にこだわり、長期投資の志を共にできる顧客を対象に、長期保有型の本格派投信「さわかみファンド」を運営している。

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